前回からの続きです。
普通列車が山の向こうへ消えて15分ほどで、トロッコが足尾から戻ってきた。
花桃の合間から狙う。
結構合間から狙うのは難しいが、決まったときに爽快感は絶大。
このトロッコは神戸で14分停車するのでふたたび先回りをする。
神戸の隣駅、中野で。
駅の奥にずらっと桜が並ぶのは壮観である。
望遠レンズがなかったので駅ホームを入れて撮ることになってしまったがこれはこれで・・・
ふたたび神戸駅へ戻る。
まず桐生から下りの間藤行が到着。
するとしばらくして上りの桐生行がやってきた。
と、ここまでは普通だったのだが突然前で撮影していたおばさんが「やって!」と叫んだ。
なにが起こるのかと思った次の瞬間。
なんと写真左側の崖の上にスタンバっていた人が花びらをまきだしたのである。
まるで「花咲かじいさん」のような状態。
しかし広角で自分は撮影していたのでちょっと不自然な感じになってしまった。
画質を落としているので見づらいとは思うが、運転手も怪訝な顔で「花咲かじいさん」を見ていたのが面白かった()
交換を終えた下り列車も撮影。
ソメイヨシノのお淑やかな白、花桃の元気なピンクが入り交じって、いい塩梅である。
さて、神戸でもほぼ撮り尽くしてしまったのと、混雑が一向に引かないので一旦神戸を離れる。
向かうのはわたらせ渓谷鐵道の末端であり、かつては銅山の街として栄えた足尾。
2年前に訪れていた廃墟の物件があったので、いまも残っているのか見に行くことに。
あった。
しかし劣化は激しく、2年前訪れたときに使った入り口はほぼ押しつぶされていた。
2年前の同じ場所。
もう既に屋根を支えている梁ははずれ、いつ崩落してもおかしくない状況だったので納得は行く。
屋根も半分以上が消失している。
2年前はもっと棚にもモノがあったような気がする。 がらんとして随分とさみしい状況。
こちらもかつては左側に半壊状態の建物があったのだが、全壊していた。
2年前max氏とここを訪れた際に首吊り自殺のマネとして使ったコードは、変わらずぶら下がっていた。
隣の建物に移動する。
こちらの建物はコンクリート製だからなのだろうか、下の2年前と比較して目立った変化もなかった。
花を満載した謎のトラックもまったく同じ場所で佇んでいた。
なにもない巨大な空間にぽつんとコレがいると、なかなかホラーであるw
列車の時間も近づいてきたので廃墟を後にする。
同じ廃墟に2回行くのはここが初めてなのだが、状態の変化が大きく感じられた。
ある程度状態が変わらない鉄道撮影と比べ、条件によってどんどん変化していく廃墟撮影。
ロマンを感じた。 廃墟マニアが多くいることにも納得がいった。
再び神戸駅へ戻って撮影。
少しずつ暗くなっていく中、白とピンクの花の存在感はどんどん大きくなっていく。
横を見ると保線機械がとまっていたので一緒に撮影。
この列車もこの駅で8分ほど止まるので車で再び中野へ。
超望遠を買ったらここでホームなしの写真を再び撮りに行きたい。
最後も神戸駅で〆。
暗くて茶色一色の車体は風景に溶け込んでしまうが、それを補うかのようにハイビームのまぶしい光が入ってくる。
発車。 すっかり人の少なくなった神戸駅をエンジンの音を響かせて去って行った。
帰る前に先ほどの保線機械を見てみる。
花桃を背景に。
こうやって保線機械を側から眺める機会はそうそうない気がする。
側面には「千」「新小岩保線」の文字が。
とってもシブい。カッコいい。
終電後の保線などで活躍するこの機械、美しい花桃と線路の風景を作り出す影の立役者。
そう思うとこの顔がさらに凜々しく見えてきた。
これにて今回の撮影は終了。
館林の隣駅、成島にあるレンタカーの営業所に車を返す。
恐ろしく人気の無い夜道を延々と歩き・・・
突如現れたセガでオンゲキをやって「群馬勢」の称号を得て、帰京した。
久々のわ鉄、とても満足できた。
来年は神戸駅でポトレ等もやれれば面白いかも知れない。 再訪を誓った。
ご覧くださいましてありがとうございました。